昔ながらの梅干しをつけよう!!~その2 紫蘇漬け編~

昔ながらの梅干し・紫蘇漬け編

梅干し作りの第2行程”しそ漬け”

前の記事でも書きましたが、梅干し作りには3段階の過程が存在します。

赤紫蘇を使っての”第2段階・紫蘇漬け”です。梅干しの特徴たる”赤い色”を決定づける段階です。

この作業は”第1段階・塩漬け”を終えた後、赤しそが出回る5月~6月に行います。

*この作業には白梅酢があがっている必要があります。

梅干しに赤紫蘇を使うのはなぜ?

もはや、梅干しといえば”紫蘇”が入っているのは当たり前過ぎるほどの当たり前で、誰も疑問すら持たないことかと思いますが…。

梅干し作りに赤紫蘇が使われるのにはきちんとした理由があります。ここでは、2つほど取り上げておきましょう。

1. 梅の赤色を際立たせる

まず一つ目として、梅干しといえば自然と連想される赤い色。この色づけのために赤紫蘇が使われます。赤紫蘇は香りは弱いけれど赤い色に特徴があり、青紫蘇は紫蘇特有の強い香りが特徴になります。

実は赤紫蘇を入れなくとも、梅干しは赤くなるのですが、これには年単位の時間が必要で、即効性がないそうです。赤紫蘇を入れて赤くなるのは、紫蘇の色素成分であるアントシアニンが梅の有機酸と化学反応をおこすためです。

そもそも、赤くするのはなぜかというと、赤は人の食欲を増進する色だからでしょう。ちなみに、紫蘇の香りにも食欲増進に効く成分が含まれているのだとか。。

昔の人は、すぐに赤い色の梅漬けや梅干しにしたくて、赤紫蘇を利用したのだと考えられています。

梅干しの保存性を高める

そもそも梅干しというのは、高い塩分濃度によって長期保存が可能な食品です。しかし紫蘇にはさらにその保存性を高める効果があります。

紫蘇の主要な香り成分でもあるペリルアルデヒドという成分には、強い防腐力と抗菌作用があります。刺身などに添えられるのも、この作用を期待してのことですね。

つまり、塩の浸透圧による防腐、殺菌作用に、紫蘇の持つ防腐、抗菌作用を加えて、より保存性を高めるというわけですね。

 

ちなみに、梅にも紫蘇にも胃液の分泌を促したり、消化吸収をよくする作用があり、またβ-カロテンなどの抗酸化物質が豊富に含まれていて、細胞の酸化を防いで美肌づくりやアンチエイジングに役立つのだそうです。

 

梅干しの材料と必要なもの

 ・梅(熟したもの) : 2kg
 ・粗塩(梅用) : 400g(梅の重量の20%)
 ・焼酎 : 適量
 ・赤紫蘇 : 200~400g ←今回使う
 ・粗塩(赤紫蘇用) : 40~80g ←今回使う
 ・白梅酢 : 適量 ←今回使う
*白梅酢は前回の塩漬けでできたものを使います。

 ・漬物甕 ←引き続き使う
 ・おもし ←引き続き使う
 ・落としぶた ←引き続き使う

粗塩はそれぞれ、梅、赤しその重量に対して20%~の量用意します。

“梅の紫蘇漬け”手順

手順1. 紫蘇漬けの下準備。

塩漬けした梅から白梅酢のみを取り出します(左下写真)。赤しそは葉の部分のみを摘み取り、水洗いして汚れを落としたら、ザルなどでしっかりと水を切ります。

手順2. 赤紫蘇を塩もみする

赤紫蘇には、まず半量の塩をまぶして、しっかりと揉み込みます。徐々に塩が紫蘇に馴染んで、紫蘇のアクと水分が出てきますので、絞って水分を捨てます。

再び絞った紫蘇をボウルに戻し、残りの塩をまぶします。先ほど同様、紫蘇を塩揉みして、さらに絞っていきます。

 

*十分に紫蘇の水分とアクを揉み絞ります。二度目の塩揉みでも意外と水分が出てくるものです。

手順3. 赤しそと白梅酢を合わせる

絞った紫蘇を梅酢と合わせます。固く絞った紫蘇を、白梅酢の中で優しくほぐしていきます。

すると白梅酢が鮮やかな赤に色づきます。この状態の梅酢を”赤梅酢”と呼びます。

*右上画像が紫蘇をのけた時の赤梅酢です。かなり鮮やかな色になっています。

手順4. 梅をしそ漬けする

白梅酢が赤く色づいたら、まず紫蘇だけを軽く絞って梅の上に広げてのせます。そのあとボウルに残った赤梅酢も加えます。

最後に、上から軽めの重しを乗せれば、今回の行程は終了です。

*今回の重しは白梅酢が上がったあとと同様に、軽め(梅が赤梅酢に浸かる程度)のものにします。

このまま、土用のカンカン照りの頃まで冷暗所で保管します。

土用の時期になれば、梅干し作りの最終段階”土用干し”に取り掛かります!!

http://gyuujaku.com/single_life/traditional/sawer_plum_3/

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梅干し漬けスケジュール

梅干しの作業は大きく3段階に分けられます。もちろんその時期も3回に分かれます。

4月下旬~5月中旬 : 梅の塩漬け

梅が出回る時期に合わせて行います。熟した梅を手に入れ塩漬けし、白梅酢をとります。次の作業(しそ漬け)を考えて、しそが出回る前に、白梅酢があがるように仕込みを行いましょう。

5月~6月頃: 梅のしそ漬け

白梅酢が上がり、しそが出回わったタイミングで行う作業です。塩もみしたしそと白梅酢で赤梅酢を作り、梅を漬け込みます。

8月~9月 : 梅の土用干し

土用を迎えかんかん照りの晴天が続くようになった頃に行います。赤梅酢で漬けた梅を真夏の日差しで天日干しにします。

*本記事”5月~6月頃 : 梅のしそ漬け”について書いています。

その他の手順は別記事にて…
>>昔ながらの梅干しをつけよう!!~その1~ 塩漬け
>>昔ながらの梅干しをつけよう!!~その3~ 土用干し

Author: single_life

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